自分の児文

元々は児童文学の感想置き場でした

2022冬アニメ&春アニメ

冬&春アニメの感想です。

長編とかめんどくさかったので、ほぼ冬と春始まったものです。

 

 

冬アニメ

時光代理人

この作品は各エピソード短編映画を見ているような完成度の高さに加え、毎話必ず引きの強いエンディングを持ってきてくれて、次の放送日が本当に楽しみでした。魔道祖師といい天官賜福といい時光代理人といい、最近の中国アニメは凄いですね。数年前まではあまり見れるレベルのものは無かったように記憶しているのですが、全く発展目覚ましいです。

各エピソードの題材選びも秀逸で、経済成長真っ只中の中国だからこそリアリティを持って描ける題材ばかりでした。都会と田舎の経済・環境格差による対比や、表面上きらびやかに見える部分と生活水準が追いついていない部分の対比。これらによって、今現在中国が抱えている問題までも、克明に描き出していたと思います。しかも、全てのエピソードに家族愛(またはそれに準ずる特別な関係)という普遍性の高いテーマが通底しており、とても共感性の高い作品になっていました。

また、作中で度々繰り返される「過去を問うな、未来を聞くな」というヒカルの台詞もとても印象的でした。この台詞、従来のタイムリープものとは一線を画す言葉ですよね。過去に戻って別の選択肢で別の世界線の話を選択するのではなく、過去から現在までの確定した道筋を変えないように動かなければいけないという特異性。それがこの作品の面白いところだったんじゃないかと思います。写真の中の過去に戻る力があったって、何も変えられないのなら、それに何の意味があるのだろう。そんな葛藤の中で、まだ確定していない未来を、現在から、そして過去から強い意志を持って確定させようとするトキの成長には目を見張るものがありました。

しかし、そんな感動とは裏腹に、物語はとんでもない引きを残して終わってしまいます。全てが解決し収束に向かうかと思われた瞬間の大どんでん返し、ずる過ぎるって……。幸い中国では2期の制作がすでに始まっているみたいですので、完結しないということはないでしょうが、日本で放送されるかという一抹の不安が胸に残りますね。コードギアスをリアルタイムで見ていた人の気持ちを完全に理解できるので、皆さんも見てはいかがですか?(ダイレクトマーケティング

 

平家物語

冬は時光代理人平家物語の2トップでした。

この作品を語るにおいて、『目』というのはとても重要な役割を持っていました。琵琶という少女を語り手とするための仕掛けというだけでなく、『目』に着目した演出が多くなされ、すべての事柄はその場に居る誰かの目線を通して語られるようでした。

 

このアニメ「平家物語」は、琵琶という少女の『目』を通して見た、琵琶というフィルターがかかった物語です。だから、平家と対立する側の掘り下げなどは殆どされません。もしも源氏の側に語り手がいたならば、物語は源義経の英雄譚にでもなっていたことでしょう。平清盛は倒すべき悪として描かれ、平氏を倒した源氏のハッピーエンドで終わっていたことでしょう。

しかし、この作品は『平家』物語なのです。平家の人々と共に過ごし、共に生きた琵琶が語ったこの物語では、義経や頼朝などほぼ出てこないばかりか、悪逆非道の限りを尽くしたとされる清盛入道でさえ魅力的な一人の人間として描かれました。

 

6話で清盛が維盛や資盛、琵琶に対して語った言葉にこんなものがありました。

 

「金がないのに使うばかりです手を打たず

各地で反乱が起こっても収めることもできず

何もできぬ貴族と偉そうにするばかりの坊主が支配する

身分と権威が全ての世を

我らは変えた

息苦しい世界に風穴を開けたのだ

富と武力でな!」

 

「ですが……今、我ら平家は……」

 

「何かを大きく変えるときには反する者も出よう

変えるのを良しとせぬ者もおろう

だからこそ我ら平家一門

力を合わせねばならぬ

この新しい都で

開いた港で

我らは更に富を築く

その富で武力も蓄える

さすれば

我らの世は続くのだ」

 

初めは清盛に対してあんなに攻撃的だった琵琶も、6話では人が変わったように清盛に微笑みかけていました。琵琶にとっての清盛は、最初は『悪逆非道の限りを尽くす鬼』だったのでしょう。しかし、長く平家の側で彼を見てきて、その人柄を知っていくうちに、琵琶にはいつの間にか人間に見えるようになっていたのですよね。やり方に賛否はあれど、彼はこの腐りきった世を変えてやろうという気概で動いていたんです。そこまで知ってしまったら、私も彼を単純な悪人として見ることは出来なくなっていました。彼が実際のところどんな人間だったのかなんて知る由もないことですが、語り手次第で人物の印象は180度変わるのだと感じさせられます。

清盛は徳子に「人を駒としか見ていない」なんて言われていましたが、多分そんなことはないんですよね。そうでなければ、盛子が藤原家から相続した土地を奪われた時に死装束の盛子を思い出して激昂したりはしないでしょうし、重盛の息子たちや琵琶に重盛のことを語ったりはしなかったでしょう。死の間際に思い出すことだって娘の徳子のことで、どれだけ彼が子供たちのことを愛していたのかが分かるというものです。ただ、彼はやり方を違えてしまっただけなのです。

 

この作品は、平家の興亡のお話です。しかし、この作品で描きたかったものは、歴史上の出来事ではなくて、その中で生きた人々なのですよね。

琵琶は

そなたらに会って

そなたらを知った

だから

見て聞いたもの

ただ語る

清盛にはじまり重盛や徳子、果ては自死を選んだ清経や維盛など、歴史の表舞台では語られぬような、あまりに儚い命でさえも、琵琶は語り、我々に繋いでくれました。この作品を見なければ一生知ることがなかったであろうあまりにも遠い人々の悲喜交々を、こんなにも身近に感じることができるとは、物語とは不思議なものです。

 

リアデイル

ケーナさんに始まり、人魚のミミリィや養女になったルカなど重いバックグラウンドを持ったキャラクターも結構いましたが、しんみりした物語にならなかったのが良かったですね。作中のキャラクターが一貫して、過去を振り返ってはクヨクヨするより今や未来の楽しいことのために生きてるのが素敵だなぁと思います。12話でミミリィがケーナに、「人魚の里、もう探してもらわなくていいかなって」って言うんですけど、この言葉が諦めからではなくポジティブな気持ちから出てくるのが、最高にこの作品の"らしさ"なんですよね。

皆基本的に裏表なく喜怒哀楽を表現していて気持ちよかったし、それに結構俗人的な感覚を持っているケーナさんにも親しみを覚えたりなんかして、とにかくキャラクターが好きだなぁと思える作品でした。複雑に感情が交差する作品ももちろん好きですけど、なんかこう、好きなものを好きって言って、素敵なものを素敵ってストレートに言える人達に憧れちゃうし、そういう物語も大好きなのです。

近頃へんね 素敵だったものを

素敵と思えなくなってしまったよ

どうしよう

本当の始まりを 取り戻しに行かなくちゃ

素敵なものをいつまでも素敵と思える感性、大事にしていきたいね。

 

 

明日ちゃんのセーラー服

時間が止まれば良いのになって思うよ

OPの一発目、このイントロもなく始まる冒頭のワンフレーズに撃ち抜かれちゃいました。

見る前はセーラー服フェチの作品なのかな、ぐらいに思ってたんですけど、全くそんなアニメじゃなかったですね。むしろセーラー服は添え物というか、セーラー服を着ることができる学生時代という有限な時間の中で、彼女たちが見せる青春の輝きこそ描きたいものだったんじゃないかなって感じました。

単純にアニメーションとしてのクオリティがめちゃくちゃ高かったし、原作読んだらめちゃくちゃアニオリでキャラの掘り下げめちゃくちゃされてることも分かったし、ちゃんとアニメで見る価値のある作品だと思いますね。個人的には、古城さんの掘り下げがアニオリだったのはちょっとした衝撃でした。めちゃくちゃ好きなキャラになってたので、原作に無いと知った時はちょっとショック。

あと、人たらしの主人公好きすぎ。峠口さんとか蛇森さんとか、明日ちゃんは誰にでも分け隔てなく接してるだけだって、わかってても好きになっちゃうよね……。わかる……。

 

錆喰いビスコ

1〜3話は過去と現在の時系列が交互に放映される形式で若干わかりづらかったかなーと思いつつも、それを理解して見ればそんなに不自然なこともなく意外とすんなり入ってきました。序盤は唯一無二の世界観によるワクワク、中盤はロードムービー的な楽しさ、終盤は少年漫画的激熱展開と、それぞれに違った面白さがあって良かったですね。

序盤は一つの"個"だったビスコとミロでしたが、物語が進むにつれ、お互いの中にお互いの精神が芽生え、二人で一つになって、終いには一人で二人分にまでなっちゃって。やっぱバディもの、最高ですね。

特に、終盤の怒涛の展開に「愛してる」の台詞なんか、震えましたね。愛って色んな形があって、恋愛だけじゃない愛の形を示してくれる作品って大好きなのです。

 

怪人開発部の黒井津さん

極力キャラクターを使い捨てにしない愛みたいなものを感じて良かったね。作画がだいぶ怪しいところもあったけど、いい意味でくだらない内容だったからそこまで気になるものでもなかった気がします。作画が本当にヤバかった11話では、ジャガーフェンリル様の口だけ全く動いてなくて、逆に面白かったぐらいですから。獣系怪人の口パクはは輪郭ごと動かさないといけない分作画カロリー高いんでしょうね。

あとは、欲を言えばメギストスさんと黒井津さんの絡みがもっと見たかったなぁと思います。2話のメギストスさんと黒井津さんが出張に行く話、狂おしいほど好きなので。

後はそこまで印象に残ってることはないですね、すいません。

 

東京24区

いわゆるトロッコ問題を主軸に、思考実験を現実化したかのようなアニメーション。しかし、管理社会というにはあまりに生々しい生活感がそこにはあって、それがユートピアになるかディストピアになるか、その分岐点のような時代のお話でした。

最初はRGBやその周りのキャラクターがイマイチしっくりこなくて、結構懐疑的な目で見てたんですけど、中盤から終盤にかけては面白かったです。8話までは、発生した問題に対してRGBの三人が場当たり的に対処するだけの物語だと感じていましたが、9話で過去の回想が入ったことにより、これまでの物語の裏にあった人間関係が浮かび上がってきて一気に物語に引き込まれました。

最後の結論は賛否あると思いますが、個人的には結構良かったんじゃないかと思いますね。

前半はそれぞれ自分の思うようにバラバラに動いていたRGBですが、後半は彼らが各勢力の手足となって、大人たちの思惑に取り込まれて動かざるを得ない構造になっていました。それぞれが思想を持ちながらも、もう自分たちの思いを語っていられる状況ではなくなってしまったのです。本当にこれで良いのかと思いながらも、自分たちの行動すらも大局に任せるしかなくなっていました。

しかし、だからこそ、彼らは自分たちの未来は自分たちで選択すべきだという当たり前に気付くことができ、カナエシステムなんてなくてもいいんだという結論に至れたのでしょう。だから、物語の結論としてはかなり綺麗に落ちたんじゃないかなと思うんですよね。

翠堂豪理の早すぎる手のひら返しとか、「大好きだー」とか、終盤のRGBの殴り合いシーンとか、榎木淳弥さんの演技とか、正直不満点を挙げれば結構あるのですが、それでも悪いアニメではなかったように思います。

 

その着せ替え人形は恋をする

喜多川さんが聖人過ぎて眩しいっす。好きに全力って勇気を貰えるし、それを違う世界の住人だと思ってた喜多川さんのような人が肯定してくれるから、より嬉しいんですよね。喜多川さんの友達とかも五条くんに優しくて、胸が温かくなります。

所謂ハーレムラブコメ的な、主人公1人にヒロイン多数みたいな構図が好きではないので、基本五条くんと喜多川さんの恋愛軸でお話が進むのが見ていて安心感がありました(ジュジュさまが五条くんを好きになる展開は少なからずありそうですが)。

あと、作品にエッチな要素とか入れられると結構ノイズに感じるタイプなんですけど、この作品はエッチな描写もありながらも何故か健全な感じであまりいやらしさが無かったので、そのバランス感覚も凄かったなと思います。

ただ、素晴らしく良質なラブコメを見たのは間違いないんですがど、喜多川さんの喋り方だけはちょっと苦手でしたね……。オタクが考えるギャルの喋り方って感じがして、どうしてもね……。

 

リーマンズクラブ

大人になっても、働いてても、夢を諦めなくていい。そんなメッセージが眩しいぐらいに鮮烈で、強烈に描かれていました。ただ、刺さったのはそこだけで、それ以外はあまりいい出来ではなかったように思います。バド描写もリーマン描写も中途半端になっちゃって、イマイチ説得力に欠ける感じがどうしてもね。

まずバドミントン描写については、解像度が低すぎた気がします。戦略というものが殆ど無くなく、個々の能力や半分特殊能力みたいな一芸のみで試合を組み立てている様に感じました。バドをあまり知らない自分ですらそう感じるって相当ですし、バドに限らずスポーツってそんな単純じゃないですよね。

で、リーマン描写については、内容があまりなかったような気がしますね。ねぎジンジャーの企画以外の具体的な業務内容があまり見えてこず、実業団のスポーツものがやりたかったから仕方なく描写入れてます感が否めなかった気がしますね。(主観で申し訳ないですけど)

あと、専務とか世界ランク1位さんみたいなやっっっっっっすい悪役キャラも本当に苦手なんですよね……。物語の都合上必要な悪者だったとしてもいい加減前時代的すぎるし、それに最後は専務も世界ランク1位さんも意外といい人でした、チャンチャン、じゃないんですよ。それで今までやってきたことは誤魔化されないよ、私もバカじゃないんだから。(いや、バカではあるんだけど……)

ま、という訳であまり肌に合わないアニメでした……。

 

CUE

個人的ダークホース。1クール目の後半あたりから段々馴染んできて、いつの間にか毎週楽しみに見ていました。特に好きなのは、8話、10話、12話あたり。

最初は、皆声優という仕事に対して見通しが甘くない?とか、めちゃくちゃ恵まれてるのに気付いてないんじゃない?とか、色々思うところがありました。例えば、6話で絢が猫の為に寮を出るって言いだしたり、15話で聡里が親子共演を断っちゃったり、先のことを考えたら非合理的だと思ってしまうような発言や選択なんかも沢山ありました。でも、それが悪いことかっていうと、多分そうじゃないんですよね。

考えてみれば、彼女たちは殆どが成人すらしてない少女たちで、まだ自分の気持ちとも折り合いをつけられなくて当たり前なんですよ。アニメや漫画を読んでいるとまだ成人すらしてないのにとんでもなく人間ができてるキャラクターがゴロゴロいるからそれに慣れてしまいがちだけど、青さや未熟さなみたいな本来あって然るべきものを「粗」なんて見るべきではないと思うのです。自分たちだって昔に通ってきたはずのことを、振り返って指さして笑ったり、ましてや馬鹿にしたりなんかするものじゃないです。

確かに未熟なキャラクターは、見ていてやきもきすることもしばしばです。しかし、このアニメには、その未熟さにがっぷり四つと向き合ってくれる仲間や大人が居ました。彼女たちはまだ若く、夢のスタートラインに立ったばかりです。期待と不安が入り混じった子もいれば、冷静に現状を分析してる子もいて、舞い上がってしまっている子もいれば、まだ声優になった実感がなくてふわふわしてる子もいます。彼女たちにはそれぞれ違う悩みがあって、それは大人から見れば小さいものかもしれません。でも、その一つ一つに寄り添って丁寧に描いてくれて、そして周りの大人たちも彼女たちがぶつかっている壁に対して、子ども扱いせず真剣に向き合ってくれる。こんなに嬉しいことはないですよ。

ブルームボールの音響監督さんなんか、一見超絶厳しくて怖い人だったけど、その実誰よりも未熟な彼女たちを対等にプロとして扱ってくれていたと思います。社長の真咲さんも、基本的には彼女たちの自主性に任せつつ、でも迷っている子には考えるきっかけを与えてあげる優しさも持った素晴らしい人でした。こうした、未熟さに真剣に向き合って導いてくれる人たちがいてくれたからこそ、私は彼女たちの未熟さもまた素晴らしいもであると気付き、この作品を好きになれたんですよね。

 

ハコヅメ

どのエピソードをとっても非常に質が高く、更にはコメディもシリアスもどっちもイケるというとんでもないバランス感覚を持った作品でした。

警察を題材にした作品では、衝撃的な事件や正義の味方的な側面がフィーチャーされることはあっても、この作品のように警察は正義の味方でもロボットでもないんだよ、と突きつけてくるものは珍しい気がしますね。これぞ元警察官のリアル(狐火)。

やっぱり警察はどこかネジが外れていないとできない仕事であり主人公の感覚が俗人で凡人だから、そうしたギャップから生まれるドラマには秀逸なものが多かったですね。是非とも2期も見たいアニメです。

 

スローループ

吉永恋ちゃん、Love……。

海凪小春ちゃんといるとお姉さんみたいになる吉永恋ちゃん、Big Love……。

 

高木さん3期

もういい加減お前らは「からかった」「からかわれた」で一喜一憂するような間柄じゃないじゃん!もう花火デートもしたじゃん!なんてやきもきしながら見ていました。3期に突入してもずっと同じフォーマットで話が作られていて、正直少し食傷気味になっていたところもあると思います。どちらかと言えば北条さんと浜口くんの恋愛模様の方が気になったりなんかしちゃったり。

でもね、最終回、本当に良かったですよ。ようやく漢を見せた西片、カッコ良すぎるよお前。告白なんてまだでまだ先でええ。お前らはお前らのペースで進んでいけばええねん(アツい手のひら返し)。

ま、こんなこと言いながら劇場版見れてないんですけどね……。

 

春アニメ

ヒロインたるもの

元々LIP×LIPは好きで曲をよく聞いてたんですが、まさかアニメ化するとは(LIP×LIPというよりは涼海ひよりのアニメだけども)。よく聞いてたといっても、曲と内山昂輝さんが大好きだっただけで、詳しいかと言われると全くそんなことなかったんですけど。

それが今やハニワの告白実行委員会にまでドハマリして、小説まで全部読み漁るまでになりましてね。

本作は、「ノンファンタジー」「ヒロイン育成計画」「ヒロインたるもの」という楽曲をベースに物語を再構成したものなのですが、お話はかなり大胆に変わっています。そもそもひよりの友人の千鶴や樹里は元々存在しなかった後付キャラで「ヒロインたるもの」の楽曲PVでいきなり登場した存在ですし、そこの整合性を取るためにも変更は必須だったわけですが。

 

今までずっと、自分の中のLIP×LIPはアイドルでした。楽曲と声と見た目、そしてステージ上の華やかな姿しか知らない、良くも悪くもアイドル以外の何者でもありませんでした。でもこのアニメのおかげで彼らが人間として目の前に降りてきたような感覚があります。このアニメのおかげで、ステージ上の偶像だったものが、悩みもすれば迷いもする人間だったんだと理解されました。

でも、このアニメで良かったのは、人間になった彼らもちゃんとアイドルだったことです。

どれだけ仲が悪くても、周りに見ている人が一人でもいるならアイドルであることをやめなかったことや、どれだけ信頼していても、ひよりに「Love」の意味での愛情を向けることがなかったことなど、彼らのプロ意識は徹底していました。彼らのアイドルでない面を知ったことで、普段ファンの前でどれだけ気を遣っているかがわかるようになり、より彼らをアイドルだと感じれるようになったようになった気さえします。

小説版まで読んだうえでの感想なんですけど、正直LIP×LIPとひよりの恋愛路線になる可能性も結構あったと思うんですよね。現に小説版のヒロイン育成計画のラスト付近では、ひよりと愛蔵がかなり良い感じになりますし、小説や楽曲でのひよりはヒロイン願望のある女の子なんですよ。しかも天下のハニワですから、恋愛に天秤が傾いても何の不思議もなかったわけです。

兎角、恋愛というものは神格化されがちで、人間関係の行き着く先とされることが多い気がします。同性間の友情がBLや百合に置き換えられたり、異性間の信頼関係が恋愛感情と捉えられたり、友情や信頼の先に恋愛があると見る人は存外多いのですよね。解釈は人それぞれですので、間違ってるとは言いませんが、個人的にそういう解釈があまり好きではありません。私は友情も信頼も恋愛も、それぞれ交わることや変化することはあっても、基本的には同じ階層に並んでいるものだと思っているからです。だから、それらが一緒くたに恋愛という形に当て嵌められてしまうと結構モヤモヤするのです(必ずしもそれらが独立して存在するわけではないので、完全に分けて考えることが無理なのは承知の上なのですが……)。

だから、この作品はそういった解釈が入り込む余地が無いくらいに、LIP×LIPとひよりの強い信頼関係を描いてくれていて、そこが本当に良かったなと思うのです。そして恋愛に舵を取らなかったことは、ジュリエッタたちにとっての誠実さにも繋がっていて、更には話の後半の展開に説得力を持たせるにも必要な要素であることを鑑みると、二重にも三重にも効いてくる素晴らしい判断だったなと思うのです。

 

かぐや様ウルトラロマンティック

本当に素晴らしかったです。

作品に一貫した「告らせたい」の言葉の持つ意味が、キャラクターの成長と共に変容していく様は見事の一言に尽きますね、本当に。最初はお互いの意地であったはずのこの言葉、それがいつしか対等に並び立つためのものになっていたなんてさぁ……。

お互いが両思いなのにどちらも一歩踏み出せなくてやきもきしちゃう。そういう状態って、恋愛ものにおける一番美味しい部分だと思いますし私も好きですけど、その状態をグダグダ引き伸ばされると醒めるのも事実で。そこをこの作品は「告らせたい」という抑止力によって上手いことその状態を持続させていました。そして、その抑止すら効かなくなってきたこのタイミングで、再び「告らせたい」という言葉を、別の意味で提示する。さらには、その意味の変容がキャラクターの成長をも示しているなんて、本当にとんでもない作品です。

ギャグもキレッキレで文句の付け所がありませんでしたね。

 

エスタブライフ グレイトエスケープ

現実の土地柄人柄をデフォルメして誇張したようなクラスタ群は見ていて楽しいですね。東京に土地勘がないとなんのこっちゃってなってたんだろうなと思うと、上京して生活してた頃の経験もアニメ視聴に活きているんだなぁという、よくわからない感慨を得ることができました。

また、逃げることを肯定してくれるこのアニメは、非常に現代的な作品だなぁと感じました。仕事が合わないと感じたらすぐやめろだとか、学校に行きたくないなら行かなくていいだとか、よくわからないインフルエンサーたちが口を揃えて言うようになった現代ですから、そういった時代の潮流を組んだ側面も少なからずあるのだと思います。人には十人十色の悩みがあって、そこから逃げ出したい理由も様々で、逃げられない理由も様々で、それをうまくクラスタという設定に落とし込んだなぁと感心してしました。

自分も何度かレールからドロップアウトしたからわかるんですけど、逃げることを全肯定は中々できないものです。本当に限界なら逃げ出すのが最善手ではありますが、一度ドロップアウトした者に社会はあまり寛容ではありません。逃げた先にまた社会のレールに戻ろうとすると、逃げることの何十倍もの労力が必要になります。そりゃあインフルエンサーになるような人たちは抜群に能力があったり個人で価値を生み出せたりするから何とかなっても、普通の人間はやっぱりそういう訳にはいかないです。しかも彼らは逃げた後の生活を保障してくれるわけじゃないですし、彼らの言葉は無責任だなぁと感じてしまうのです。(自分はもう逃げ癖がついて、辛いことがあったらすぐ現実をやめたくなるのですが、これがまたなかなか治らんのよね……)

しかし、この作品がそういった無責任なインフルエンサーたちの甘言と同種のものかと言えば、そうではないとも思います。この作品がそれらと明確に違う点として、「とんずら同意書」の存在が挙げられます。

「とんずら同意書」とは、「逃がし屋」がクライアントを逃がす前に、意思の確認として拇印を押してもらう類のものです。そこに書かれていることは結構過激で、社会的地位や財産をすべて失うことや、生命や生活の保障は一切されないことなど、一見するとかなり恐ろしい内容になっています。あくまで「逃がし屋」は逃がすだけの存在であって、その後の生活には一切干渉できないよ、ということなのでしょう。でも、これって現実世界でも同じことなんですよね。現実でも、何かから逃げたとて、その先の生活の保障なんてのは誰もしてくれません。だから、これはある種現実の厳しさまでも反映して真面目に描いた結果であると言えるでしょう。そして、逃げた先での生活を保障できないからこそ、エクアは、最後の選択を決して強制せず、クライアント本人の意思に任せるようにしているのですよね。

逆に、エクアが不在であった第6話では、「逃がし屋」たちはクライアントのハチローの意思などお構いなしに、とりあえずで彼を逃がそうとします。ですが、それじゃダメなんですよね。それは、無責任な甘言と何ら変わりありません。人一人の人生を左右する選択が、他人の意思によって為されるべきではないのです。ですから、結局秋葉原クラスタから逃げるのをやめたハチローの行動も、尊重されるべき選択の一つなのです。

6話は結果として何も起こりませんでしたが、だからといって無駄だったかっていうとそんなことはありません。多分、大事なのは本当に限界になったらいつでも逃げられるという選択肢があることなのです。「仕事が辛いなら辞めればいいじゃん」なんていう無責任な甘言じゃなくて、我々に必要なのは「辞める選択肢もあるけど、どうする?でもその選択にもリスクはあるよ?」とちゃんと教えてくれる存在で、その選択は本人に委ねられるべきなのです。そして、だからこの作品は、ただ逃げることを肯定するだけでない、とても誠実なアニメだったなと思うのです。

 

まちカドまぞく2丁目

1期の頃からさらに小慣れて洗練されたハイテンポな掛け合いに、7話冒頭みたいなお遊びをする余裕もあって、安心しながら見ることができました。リコくんやマスターの声もイメージ通りで素晴らしかったし、1期では影薄かったミカンさんの出番が多かったのも嬉しかったですね。

お話が遅いのは原作の都合だから仕方ないけれど、それでも2丁目ではちょっとずつ前進しました。ただ、個人的にはもっと進むの遅くても良い気がしますね。正直2丁目はまじめなお話の割合が多くて、1期程の爆発力と勢いがない気がしたので。1期の方が好きだったなぁと感じるのは、思い出補正かはたまた情熱を失ってしまったからかもしれないですけど、でもやっぱり何か違う感も否めませんでした。飽き性な自分の悪いところ出てるね……。

 

パリピ孔明

めちゃくちゃ面白かった~。あくまで自分らしさを表現したいがために売れたいのか、はたまたセルアウトの為に自分らしさを捨てるのか。永遠の命題ともいえるこのテーマを下敷きにしたEIKOとAZALEAの対比は、単純ながら力強いものを持っていました。

ギャグとしても上々。孔明が現代の渋谷に転生するという掴みもさることながら、彼が現代社会に爆速で馴染んでるだけで面白いのはズルいよね。

あと、EIKOの表情がコロコロ変わるのも本当に良かったです。やっぱ本渡楓さんは明るくて感情の起伏が大きい子が似合いますね😊

ただ一つ言いたいのは、KABE太人必要だったか?という問題。男を出すなとかそういうことを言うつもりはないですけど、楽曲に参加するでもユニットとして活動するでもないって、何だかそこにいる必然性があまりないキャラクターだったように思えてしまいました。KABEのストーリー自体は良い話だったし、EIKOにアドバイスもしたりして、キャラクターとして悪かった訳ではないんですけど、EIKOの前座の煽り役としてだけのキャラクターが果たして必要だったのかと言われるとどうだったのかなって……。ストーリーも良かったとはいえ、本筋からしたら寄り道なわけだし、余計にね。EIKOとAZALEAの二項対立をじっくりやった方が綺麗に纏まったんじゃないかなとは思います。

まぁでも面白かったのは間違いないので、結果オーライなんですけどね。

 

アオアシ

Production I.G.のスポーツ描写、間違いないやね。

全然サッカーとか知らないはずなのに、練習や試合の描写が丁寧且つ説得力がありすぎて、まるでサッカーのこと知ってるような気にさせられるから凄いです。作中でもしつこいまでにプレーを言語化することに拘ってましたけど、誰よりも作者の言語化能力が高いんですよね。ここまで戦術を理論建てて説明できてたスポーツアニメや漫画って、今まで無かったんじゃないかってぐらい。現実世界の野球とかサッカーとかは全然点入らないから退屈になっちゃって見られないのに、戦術とか選手の意図とかがわかるだけでこんなにも面白いものなんですね。

続きが待てなくて原作最新刊まで読んじゃったんだけど、阿久津とかいうツンデレがカッコ良すぎてヤバいです。所謂ヤンキーが更生したらめちゃくちゃいいヤツに見える系のアレなんですけど、好感度マイナスからプラスに転じたときの振れ幅のデカさってやっぱ凄いっす。悔しいけどそういうキャラが絶対刺さっちゃうの、我ながらチョロすぎるとは思いつつ、でもやっぱ好きなんだよなぁ。

 

BIRDIE WING

春アニメはラブオールプレーやアオアシみたいな正統派のスポ根があったかと思えば、こういうお馬鹿スポ根もあって、スポーツアニメが豊作なクールでしたね。お馬鹿と言っても決して悪い意味でなく、ぶっ飛んでいて楽しいという意味で。しかも、設定や演出や構成なんかは結構ぶっ飛んでても、肝心のゴルフ描写は意外と堅実で好感が持てます。

そして何より、出てくるキャラクターが全員魅力的なのが凄かったです。ただの噛ませかと思われたヴィペールがあそこまで良いキャラに化けるなんて、誰が予想したでしょう。そしてまたしてもCV瀬戸麻美の俗っぽさが最大限に発揮されている天鷲葵に、天性の人たらしイヴ。早乙女イチナも新庄雨音も、もう全員大好きです。

前半で命を懸けて闇ゴルフをやっていたイヴが、後半では日本で高校生に交じってゴルフをするようになったのは、インパクトが弱くなっちゃった感じは否めないですけど、その分魅力的なキャラクター達が増えたり葵とイヴのイチャコラが見れたりで、それはそれで大満足でした。続きにも期待大ですね。

 

ラブオールプレー

あまり動く作画ではないものの、真面目なバドミントン描写に好感が持てますね。水嶋くんが一つ一つ気付きを重ね上手くなっていく、そして同時に人間的な成長もしていく姿はやっぱり見ていて嬉しいものです。CUEの時にも書きましたが、大人になった私たちから見ると「そういう時はこうしたらいいじゃん」なんて思っちゃうことでも、思春期の彼らにとっては初めてぶち当たる問題だったりして、それを笑っちゃいけないなと思うんですよね。それに本気で悩んで、時には周りの助けも借りながらでも自分で答えを出せることって、とても凄いことです。

2クール目に入り、そんな彼らも今や先輩になりました。今度は先輩として、後輩の指導やら何やらでまた色々問題にぶつかっているようですが、そこでもまた成長が見られるのだと思うと楽しみでなりませんね。

 

であいもん

派手なドラマのある作品ではなかったですが、どのエピソードも確実に心温まる、素晴らしい作品でした。

子供って大人が思ってるより周りの顔色を窺って生きているものだと思っているのですが、一果ちゃんの場合は特にその傾向が強かったです。幼少期に親に捨てられた経験と自分の家ではない場所で養ってもらっているという家庭環境がそうさせたのでしょうが、それはやっぱり悲しいです。私は親になったことはないので口だけですが、それでも子供には何も気にせず甘えて欲しいし、いつでも笑っていて欲しいと思います。それは自分のの子供だからとかじゃなく、どんな子供でもです。

だから、そんな一果ちゃんが憎まれ口を叩きながらでも和さんに甘えてくれるようになったのが、とってもとっても嬉しかった。普段どれだけちゃらんぽらんに見えても、実は人の心の機微に人一倍敏感で、色んな所に気が回るのが和さんなんですよね。完璧な人間ではなくて、美弦ちゃんや一果ちゃんと何を話していいかわからなくて困ったりする一面もあるけど、でもそれは本人たちの前では絶対に見せないという気遣いもできる男。こんな和さんだからこそ、一果ちゃんも徐々に心を開いてくれたのでしょう。

一果ちゃんが父親を忘れることはないと思いますし、和さんが父親になることも、今は未だ難しいのだと思います。それでも、一果ちゃんが緑松を自分の居場所だと思ってくれるだけで、何で関係のない自分までもが、こんなに救われた気になるのでしょうね。

 

境界戦機

敵が味方になる展開、純粋に好き。ただ、現実問題として結構無理がある展開と言えばそうかもしれません。たとえ北米軍の脅威があまりにも突出していて、同盟を組むことが最も合理的判断であったとしても、一枚岩ではない各国の上層部が正常な判断を下せるとは考えにくいですからね。これまで利権争いをしてきて散々殺しあってきた敵国と同盟って、感情論的にも納得ができない者が出てくるのが普通です。

でもやっぱり、新日本協力機構が発足したときは嬉しかったです。敵味方問わず全てに手を差し伸べる八咫烏のこれまでの活動が好きでこのアニメを見てきて、その活動が一気に結実したわけですからね。

味方になった人間でいえば、アレクセイ・ゼレノイ少佐が頼もしすぎて好き。この男、芝居がかっていて鼻につくいけ好かない野郎だと思っていたのに、なかなかどうしてカッコいいじゃないの……。逆にブラッド・ワット大尉は終盤の本性を現した当たりから小物感が否めず、ラスボスとしての器じゃなかったような気がしますね。

総じて好きではあったものの、どうしても1クール目のような熱は持てず、分割2クールって罪な作りだなとしみじみ感じました。

 

盾の勇者2期

ガッツリ中華風の霊亀国が出てきたり、転移先の異世界が和風だったりと、2期になって一気に世界が広がりましたね。そういえば元はゲームの世界だった訳ですし、これぐらいの節操無さはむしろ有りでしょう。

正直、2期はいまいちパンチが足りないかも、なんて思いもありました。というか、1期が理不尽すぎる盾イジメの分のカタルシスがとんでもなかったので、それと比べちゃうとって話なんですけど。でも、個人的にはロリラフタリアを見れただけで満点なんですけどね!やっぱりラフタリアは幼い頃が一番可愛いよ。

 

ビルディバイド

いやぁ、まさかこんなに化けるとは、1クール目の時は予想もしてませんでした。あの頃はギャグアニメぐらいの感覚で見てたのにね……。

2クール目冒頭で置いてけぼり喰らうのも大好物だし、何よりひよこの変化に驚かされました。本当は強くなんてないのに、そうあらねばならなかった人に本当に弱いんですね、私。だから、照人や桜良と再会した後、昔みたいなひよこに戻っていたのがとても嬉しくってさ。

主人公がギャンブルってwぐらいに思っていたのに、ラストバトルで最後決めるのがギャンブルなのもアツすぎてもう……。思えば照人に限らず例えば菊花様だって手札0枚からのデッキトップ解決で見事に挽回して見せてたし、そこがカードゲームの良さなのかもね。プレイングや構築だけでない、最期の一押しを決めることができるのが運であり、カードゲームの面白いところなのよね、きっと。

 

処刑少女

第1話の掴みも最高でしたし、お話も文句なしに面白かったです。流行が大きくなりすぎると、同じ題材を別の切り口で描いたり逆転させて描いたりなんていう、カウンターやアンチテーゼも増えてきて、文化~って感じしますよね。

メインキャラクターは4人と多くないもののそれぞれに別の思惑があり、それらが絡み合い物語が進行していく様は見事でしたね。とはいえアカリと姫の思惑は未だ表層的な部分でしか明かされていないため、続きがあるならそこらへんも楽しみです。というか2期やって下さい、お願いします。

 

ヒーラーガール

最初いきなりミュージカルが始まった時は「!?」ってなったけど、馴染んでくるととても愉快で楽しいですね。
歌が西洋医学と並ぶ立派な医療行為として位置づけられているという設定にも感心。「歌に魔力をのせて治療」だとか「歌で勇気づける」でなく、音声治療が立派な医学として認められているのは、今までありそうでなかった切り口で良かったです。

あと、やりたいこと全部詰め込んだ感も最高。田舎で川遊びしたり文化祭を全力で楽しんだりと彼女たちの日常をキラッキラに描いたかと思えば、玲美ちゃんとメイドさんの泣かせるお話をやってみたり、はたまた西洋医学と音声医療の融合なんていうまじめなお話も交えたり、とにかくバラエティに富んだ物語が楽しかったです。これだけ色んな方面のお話に手を出していながら、ヒーラーとしての資格を取り一人前になるというメインストーリーがあるお陰で一本筋が通っているのも素晴らしい。

総じて良いアニメだったと思いますよ。

 

本好き

ままならないねぇ、本当に。

面白いのは間違いないんだけど、本を作ろうと全力で試行錯誤していたマインが好きだったから、自分の力ではどうしようもない権力構造のしがらみに絡めとられていくマインを見ていてとても苦しくなってしまいました。活版印刷やインクの下りは相変わらずで好きだったんだけどね。

グレンラガンとか映画ゆるキャン△とかもそうなんだけど、何でもできたはずのキャラクターが成長して、社会や権力の足枷がついて動けなくなっていく様を見るのが本当に苦手なんですよね。それが例えハッピーエンドになったとしても、もうあの頃のような若さゆえの無謀さと無敵感でもって何かを為すことはできないんだろうな、という悲しみがあるので。しかも、本好き2期は終わり方さえ救いがないじゃないですか。マインたち一家は結果として無事ではあったけれど、彼らの感情の行き場はどこにもない。それが本当に、苦しい。

救いがあるとすれば、それこそ本なのかなとは思います。活版印刷技術の発明や高品質なインクの開発により本が世間に広く普及すれば、社会構造すら変えてしまうかもしれないという、本の持つ力の強大さ。願わくば本の力によって社会構造に革命が起き、マイン一家がまた4人で暮らせるような世界が訪れて欲しいなと思います。

 

阿波連さん

ギャグがイマイチピンとこず、これはもう感性の問題だから仕方ないなと思いつつ、でもキャラクターがみんな可愛くて良い人たちだったから最後まで見ることができました。終盤のラブコメ展開は非常に好みでした。(恋を吸って生きるバケモノ)

 

RPG不動産

序盤から繰り返し「ここに伏線ありますよ~」ってわかりやすく明示されて、その回収が予想の範疇を超えてこなかった悲しさが、どうしてもね……。あと、きららなのに親友を自らの手で殺してしまうとかいうマジのシリアスをいきなりぶち込まれると流石に感情が追い付かなかったですね。

終盤以外は萌え~って感じでした。

 

くノ一ツバキ

新時代のアイドルアニメじゃんこれ……。今が旬の若手女性声優たち、このアニメ見るだけで大体わかるの凄いよね。それに、こんなにキャラが居るのに誰もキャラ被りせず、しかも1クールでほぼ全員にスポット当てて描き切ったのも本当に凄い。

正直中盤まではお話が肌に合わなくて、キャラクターが可愛いからなんとか見れているという感じでしたけど、11話のもて術/モテたいの回で大爆笑してしまってからはもう参りました、降参です、といった感じ。煩悩まみれの女の子、とてもかわいいもの。

 

SPY×FAMILY

アーニャが可愛かったです。

お話が面白かったです。

 

このヒーラー、めんどくさい

キャラクターデザインの重要性をまざまざと見せつけられた気がしますね。キャラクター的な魅力は敵も味方も結構あったように思うんですけど、如何せん見た目が安すぎでした。色眼鏡なしで見ると結構面白いギャグなんかもあったりして(風味と歯ごたえ好きだったので最終話で伏線回収されたの嬉しかったです)、でもキャラデザが気になりすぎてイマイチ入り込めなかったのが惜しいなと。最終回のアルヴィンの兜とか、変形しても普通にダサいのはギャグなのか……?

 

群青のファンファーレ

最初はあんまり肌に合わない気がしていたんですけど、トレセン実習あたりから徐々に馴染んできて、でも最後盛り上がり切る前に終わっちゃったなといった感想でした。

横からダークホースの皐汰が急成長してくる感じとか、久慈さんが「あいつは騎手じゃねぇな」って言うところとか、面白くなりそう!って思ったシーンは沢山あったんですよね。ただ、そのどれもが爆発しないまま終わってしまったような感じがどうしても……。

キャラクターの関係もあまり分からなかったですね。優と駿は、最初の衝撃的な出会い以降特に仲を深めるような描写もなかったように思うのですが、最後まで特別な関係であるかのように描かれていました。迅人と惣司朗も、最終回でめちゃくちゃ良い感じになってるの見て、「この二人ってこんなに仲良かったっけ……」って思ったり。3年間なり一緒に過ごした(迅人は途中で退学しましたけど)仲間なりに特別な絆が生まれるのはおかしくないにしても、それを印象付けるエピソードがあんまりなかった気がします。(私が色んな描写を見逃してるだけだったら申し訳ないですが……)

そりゃ全部が全部描いてたら1クールで3年も描けないことはわかりますけど、どうにももうちょっと描写欲しかったなぁってところが悉く不足していて、うーん惜しいなぁと感じてしましました。

 

かぎなどシーズン2

やっぱこういうわちゃわちゃギャグ良いね。感動をおもちゃにされてるという複雑な気持ちがなくなったかと言えば嘘になるけど、それでも悲劇的な結末を迎えるようなキャラクターたちもこの世界では自由にのびのび生きていて安心もできたましたし。

ABのキャラもシーズン2からの参戦にも関わらず違和感なく馴染んでて素晴らしかったね。まぁ、元の世界でもやってることほとんど同じようなものだった気もしますが。

 

舞妓さんち

2クールだ!嬉しい!と思ってたらまさかの3クールありました。嬉しすぎ。

帰郷の回や最終回みたいに、スーちゃんが普通の女の子に戻る回めちゃくちゃ好きです。舞妓さん姿の時はあんなに美しく大人びて見えても、やっぱりスーちゃんも年頃の女の子で、まだまだ幼い部分も沢山あるんですよね。でもまだ少女の身でありながら、最終回では自分が今までキヨちゃんにどんな風に支えられてきたかに気付いたりなんかしちゃって、スーちゃん凄すぎです。周りの人に支えられても、それが当たり前になっちゃっててその偉大さや大変さに気付けないことってあると思います。私自身も経験のあることですし、月並みですけど、こういうのって意外と無くなってからじゃないと気付けないのよ。だから、そこに気付けたスーちゃんは、それだけでスペシャルなんです。

 

理系が恋に落ちたので証明してみた。r=1-sinθ

後半の奏ちゃんの「普通」を主題としたストーリー展開は些か無理があったのでは……?

前半はいつものって感じで良かったです。

棘田恵那が幸せだったらそれでええ。

 

終わりに

何とか夏アニメが終わる前に春アニメの感想まで終わらせられて良かったです。仕事が始まってからアニメを見れる量は減ったのに、ボーッとしながら頭使わずに見てる時間は逆に増えてしまって駄目ですね。社会人になったら皆アニメ見なくなっちゃう理由、これかぁ、なんて思ったり。こんなだからヒーヒー言いながら感想書くはめになるんですよね……。(感想に中身なかったりクッソ適当だったりするのもそれが原因です)

でも、感想を書くことに苦労してるとはいえ、感想を書かないと何の整理もされないまま忘れていってしまうので、気力が続く限りは続けていきたいなと思います。自己満足で始めたことではありますが、気が向いたらまた読んでくださると嬉しいです。

ではまた、夏アニメの終わりにお会いしましょう。